ぼくらワープアはかわるのでしょうか
景気を安定軌道に乗せ財政も立て直す――。
日本経済のかじ取りで菅直人新首相に課せられた使命である。
鳩山内閣が陥った政権公約(マニフェスト)至上主義を脱し、
柔軟な発想で、成長と財政再建の両立を図るべきだ。
新首相は、民主党代表選に向けた会見で、「無限に借金が増えるような方向性は正していく」
と、財政健全化に意欲を示した。ならば、2011年度予算でさっそく具体化する必要があろう。
副総理・財務相在任当時から、菅新首相はすでに布石を打っていた。
11年度予算における国債の新規発行額を、10年度の44兆円以下に抑えたい、と述べたことだ。
国債発行に一定の歯止めをかけなければ、10年度末で862兆円に達する国と地方の
長期債務の膨張が続き、国債の信用が失われかねないのが現実だ。
財務相として一連の国際会議に出席し、我が国の財政事情の深刻さを再認識させられたことも
背景にある。「国債発行44兆円以下」発言を一応は評価したい。
だが、これでも当初予算の国債発行額としては史上最高だ。
44兆円を上限に、これをどう減額していくかが肝要である。
最初に取り組むべきは、歳出の抑制だ。
10年度予算は、マニフェストに盛り込まれた政策が歳出を膨らませた。子ども手当、
農家に対する戸別所得補償、高校授業料の実質無償化などである。
こうしたバラマキを続けることは不可能だ。
マニフェストへのこだわりを捨て、真の無駄減らしに取り組む必要がある。
歳入確保の面では、消費税率の引き上げが避けられない。
毎年、1兆円規模で増え続ける社会保障費を賄う財源としても、消費税は極めて重要だ。
増税による景気への影響も懸念されるが、新首相は、増収分を医療・介護の充実などに回せば
雇用が創出され、景気は良くなるとの見方を示している。
そう言う以上、夏の参院選で消費税率引き上げの是非を国民に問うてはどうか。
理解を得たと判断すれば、景気動向に目配りしながら、具体案作りに入るべきだ。
参院選の公約取りまとめ作業と並行して進む、「中期財政フレーム」と「財政運営戦略」という
二つの指針作りも重要である。
前者は11年度から3年間の予算の大枠を決め、後者は中長期的な財政運営の道筋を描くものだ。
二つの指針の中身次第で、新首相のやる気が判断されよう。
ソースは
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100605-OYT1T00932.htm
首相が変わって

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