新型インフル第2波は確実 妊娠女性らワクチン徹底を 「インタビュー」―世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子医務官世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)を宣言して11日で1年。WHOの進藤奈邦子(しんどう・なほこ)医務官に現状と課題を聞いた。 -WHOは大流行は続行中というが一般の危機意識は大きく後退した。 「昨年の今ごろは北半球で通常の季節性インフルエンザにはない大きな流行の波があった。ことしは今までのところそれが出ていない。南半球ではこれから流行期で、恐らく新型のH1N1が主流のウイルスになる」 「われわれが十数カ国から集めたデータでは、発生以来、これまで20~30%の人が既に感染していると推定される。まだ7、8割は感染していないので(流行の)第2波、第3波は確実に来るだろう。特に妊婦や、心臓や肺の基礎疾患(持病)がある人はワクチン接種の徹底など注意が必要だ」 -欧州を中心に大流行宣言は誤りで騒ぎ過ぎという批判も根強い。 「科学的にはH1N1が大流行であることは間違いない。その影響度という意味では、世界中が大流行の準備ができていた初のケースだったこともあり過去の大流行と比べるのは難しい。これまで直接確認できている死者は世界で1万8千人超にとどまるが、実際の死者数は(死亡統計から推計する)『超過死亡』の手法で評価しないと分からない。1918年のスペイン風邪ほどの影響はなかったが、50~60年代のアジア風邪、香港風邪と肩を並べるのではないか」 「当初の発生の中心となった米国などでは騒ぎ過ぎという批判は少ないようだ。国によって危機管理に対する意識の違いも大きい。流行の当初はどこまで事態が悪化するか予想できない。結果論であり(早期の警報を怠ったと)逆の批判を受ける方がよほど深刻だ」 -WHOは純粋に科学的な判断ができる立場にあるのか。 「加盟国のための国際機関なので、各国当局の政策に悪影響のある判断は難しい。例えば最近の『最盛期』を越えた判断も難しかった。大半の国や地域は感染ピークを過ぎているが、アフリカなどではこれからワクチン接種を始めるという段階で、緊張感を緩めるような宣言は出しづらい」 「昨年の大流行宣言も専門家としての判断では(実際より約1カ月早い)5月にはもう宣言するべきだと思っていたが、英国などでは感染封じ込めを懸命にやっていた。WHO首脳部は非常に悩んだと思う。国や地域ごとに状況が異なる中で、世界一律の判断をどう示すのか、今後の検討課題だ」 Japan health news |